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銀時←神楽 「銀ちゃ~ん?どしたアル?」

「銀ちゃ~ん?どしたアル?」
ひょいっと神楽に覗きこまれ、銀時は慌てて棚から目をそらした。
「あっ、別に。切れてたっけなぁ~、まぁそんなに使わないから切れてても別にいいかなぁ~とか思ってただけであって…。」
「言い訳がましすぎて哀れアルな。」
銀時が見ていた棚。
高カロリーと言われたのも今は昔。
最近ではいろいろな種類のものが製造されるようになった、酸味のきいたある種独特な味の調味料、マヨネーズ。
「言い訳?なにが、誰が?俺は別にどっかの誰かみたいにマヨマヨマヨマヨ言わないよ?」
あわあわと妖しげな手振りをする銀時に、神楽は棚から一つマヨネーズを掴むと持っていたカゴに放り込んだ。
「冷蔵庫のマヨは半分くらいになってたネ。あいつが使う1回分も残ってないヨ。」
ほら行きますよ、と言わんばかりに神楽は顎でレジを差すとさっさと歩きだす。
「ちょ…神楽っ!?なに、あいつって誰よ?なぁ、俺は別に土方なんてどうだって…。」
自分で墓穴を掘ったことにも気付かずに、銀時はまだぐたぐたぐたぐた。
「砂糖でもマヨでも好きなだけ食べればいいヨ。いい歳こいたおっさんがうっさいネ!」
ぴしゃりと言い放つ神楽に、ちょっとだけ銀時が肩を落とす。
神楽が選んだマヨネーズが業務用の特大チューブであることを確認して、ため息を吐く。
「は~い。」
「わかればいいネ。さっさとカゴもってレジいくヨロシ。ワタシは外で待ってるヨ。」
「きょう天気良いから日陰にいんだぞ~。」
カゴを手渡してきた神楽が、ふと銀時を見上げる。
青い目がじっと銀時の茜色の瞳を覗き込む。
「…んだよ?」
「銀ちゃん、チョコレート買い忘れてるけどいいアルか?」
「あ?…忘れてた。あぁ~、めんどくせ。…いいや、今度買う。」
ぼりぼりと頭を掻いた銀時に、神楽はふぅんと、呟いた。
「じゃ、早くしてネ。」
そう言って神楽は出口へ向かった。
 

「銀ちゃんはいっつも人のことばっかり。」
マヨネーズ、お日様、土方、神楽。
チョコレートドーナッツキャンディキャラメル。
好きだ好きだと騒いでおきながら。
「莫迦な男ネ。」
傘を広げると、居心地の良い日陰ができる。

 

×××

2010年1月10日
2010年5月8日再UP。

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