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「銀さ~ん…、っと。」
声をかけようとして、ソファーで寝こける銀時を見つけた。
少し身体を丸める様にして横になるその姿はなんだか猫を連想させた。
「…ほんと、銀さんって不思議な色の髪だよなぁ…。」
呟きながら、新八は毛布をかけてやる。
少し緩んだ顔をみて、しょうがないなぁとため息。
「こんなとこで寝ちゃって。風邪でも引いたらどうするんですか。」
起こすつもりはないので、小さな声で小言を。
もはやこの万事屋のお母さん的存在になってしまった自分に苦笑する。
「さて。どうしようかな、掃除は後にするか…。」
洗濯物でも取り込もうと踵を返そうとしたとき、銀時がうっすら目を開けた。
「…ん、…あれ…?」
「あ、ごめんなさい、起しちゃいましたか?」
覗き込むと、きょろりと紅い目が新八を見上げて。
「…じかた……。」
そっと囁かれ、腕を引っ張られる。
「え…?」
慌てて手をつき、身体を支えると、至近距離で銀時と目が会う。
瞼がまだ眠たそうに重たげに、紅い眼を見え隠れさせる。
「ひじかた…。」
もう一度、吐息ほど小さく言葉が零れ、銀時はまた眠ってしまった。
掴まれていた腕もするりとほどける。
「…銀さん…っっ。」
慌てて新八はソファーから離れ、自分の髪をわしゃわしゃとかきまわした。
きっと、寝ぼけてあの黒髪の男と間違えたのだろう。
化け物のように強いこの男が、こうも無防備に名前を呼び肌を寄せるとは。
不可抗力で知ってしまった秘密に、新八は真っ赤になる。
「ちょっと…、あんた…。あんなに喧嘩ばっかしてて…。」
銀時の白い肌がうっすら色づいて、ふわふわの銀髪が揺れる。
土方は、あの常時仏頂面の男は、この真っ白な猫を飼い慣らしているのだろうか。
それともこの白い男が、あのドーベルマンのような忠犬を手なずけたのだろうか。
どちらにしたところで、物騒なことだ。
新八はなにも見なかったことにして、洗濯物をとりにベランダへと向かった。
2009年12月14日
2009年12月30日再UP
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