忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

土銀+沖神+新八 「それでネ銀ちゃん、沖田がね…」

「それでネ銀ちゃん、沖田がね…」
「あぁはいはいはい。」
ジャンプを捲りながら銀時は適当に相槌を打つ。
酢昆布の箱をくるくる回しながら、神楽は話し続ける。
銀時が聞いていてもいなくても。
むかつくだの、腹が立つだの、苛々するだの、生意気だの。
散々愚痴らしき言葉を吐き続ける彼女の顔は、どう見ても幸せそうで。
文句の主語はたった一人の青年の名前。
「んで…あっ、沖田と約束した時間アル。いってくるヨ。」
いつも側に置いてある傘をひっつかむと、神楽は廊下を走って出ていく。
「はぁ~ぁぁ。」
あくび交じりにジャンプを腹の上に載せると、銀時はソファーに伸びた。
「神楽ちゃん、楽しそうですね。」
お茶を持ってきた新八が、向かいに座る。
「お熱いことで。」
湯呑みに指を伸ばし、アチチと銀時はおどけてみせる。
「また今日も喧嘩して帰ってくるんでしょうね。」
決闘だの勝負だのいいながら喧嘩して喧嘩して喧嘩して。
それは、気になってしょうがないから。
相手を知りたくて、自分を知ってほしくて。
言葉なんて恥ずかしくて交わせないから。
「青いねぇ…、青春ってやつですかぁ~。」
「ま、あの二人が喧嘩すると相当迷惑なんですけどね。あっちこっち壊すから。」
どこかの副長のむっつりした顔を思い出し、新八は苦笑する。
「…ちょっと保護者に牽制かけとくか、変な虫つかねぇように。」
そっぽを向きながら銀時が呟く。
「…銀さん、あんたいい年こいて電話するのにも理由がいるんですか?」
「うっせぇ…。」
じっとりした目で見られ、銀時はソファーできゅっと背を丸める。

 

×××

2010年4月28日
2010年5月8日再UP。

PR

Copyright © 銀魂 : All rights reserved

「銀魂」に掲載されている文章・画像・その他すべての無断転載・無断掲載を禁止します。

TemplateDesign by KARMA7
忍者ブログ [PR]