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長谷川×銀時 「なにと交換なさいますかぁ~。」

「なにと交換なさいますかぁ~。」
「あぁ、じゃぁ煙草と…。」
「キャラメルとチョコレートと飴とビスケット!!」
「……で、よろしいですか…?」
男の背後からひょっこりと出てきた銀髪頭に不思議そうな顔をした女性店員に、長谷川は苦笑しながら頷く。
 

パチンコ屋を出ると、煙草だけ取り出して紙袋を銀時に手渡してやる。
「んだよ銀さん、いつからいたんだ?」
「長谷川さんが打ち始めるちょっと前から。全然気づかねぇんだもん。」
銀時はさっそくお菓子をあさると、チョコレートを取り出した。
ばりんばりんと齧りつくその幸せそうな顔に、長谷川はやれやれとため息のかわりに煙を吐き出す。
「今日はぼろ負けだよ。」
そう言って肩を落とす振りに、じゃぁしょうがないかと流されて景品を全部くれてやる。
「なぁ長谷川さん。」
ちらっと上目づかい、おねだりの仕草。
「ん~?」
「なぁ、俺にちょっとつきあわねぇ?」
顎で指すのは宿。
ねぇ、と。
その白い肌を見せつける様に少し首を傾げて。
自堕落にふしだらに、奔放に。
「嫌いじゃねぇが。ま、もう俺は一人の女しか愛してねぇからやめとくよ。」
「んだよ~、おっさんだってそんな真面目に生きてる口じゃねぇだろぉ。」
チョコレートの次はキャラメルを口に頬り込む。
「まぁな、否定はしねぇけど。」
「だったらちょっと付き合えよ。」
「…どっかの怖いお兄さんはよほどお仕事が忙しいとみえる。」
からかいの言葉に、銀時はぷっと頬を膨らませた。
「うっさいなぁ。なに、説教でもくれる気?やめろよなぁ。」
「そんなんじゃねぇけど。俺は銀さんのこと結構気に入ってるから、やめとくよ。」
そう言って手をふり、長谷川は道を曲がる。
 

「んだよ、マダオのくせに。」
飴をがりがり噛み砕きながら、銀時は万事屋に足を向ける。
サングラスのせいでわかりづらいが、そこそこ端正な顔。
しっかりした身体も、煙草の匂いもお気に入りだったのに。
まさかあれほど生真面目だったとは、予想外。
「んだよ~、ますます好みなんですけどぉ。土方く~ん、早く俺のこと抱きに来ないと浮気しちゃうよ。…マジで、さ。」
さくりさくりとビスケットを噛み砕く。

 

×××

2009年12月9日
2009年12月30日再UP

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