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銀時×神威 「ねぇ、お侍さん。」

「ねぇ、お侍さん。」
柔らかな声に、銀時は背筋を凍らせた。
「そんなにびっくりしなくてもいいじゃない。」
くすくす笑う声は楽しげだ。
振り向けば、番傘をさした小柄な男が立っている。
淡い色の髪は長く、編んで背中に流したその優男を、銀時はぎっと睨みつける。
「何の用だ?」
「そんなに怖い顔しないでよ、ショックだなぁ。」
男の笑みが深くなる。
「ちょっと地球に用事があったから、妹の様子を見に来たんだよ。」
「…。」
警戒を解かない銀時に、男はまたくすくすと笑う。
「信用ないなぁ。俺だって年がら年中人殺してるわけじゃないんだけど。」
おどけた調子で肩を竦めると、ため息をついて銀時を見上げる。
「心配しなくても神楽には近づかないよ。ねぇ、お侍さん?」
一歩、男が近づく。
柔らかな髪が揺れ、丹桂の匂いがふわりと香る。
「ねぇ、教えて。」
いぶかしむ銀時に、彼はまた笑う。
「お侍さんの名前だよ。」
「…銀時。」
「ふぅん。…良い名前だね。」
くるりと踵を返すと、背中越しに手を振る。
「俺は神威って言うんだ。今度会ったら名前を呼んでね銀時サン。ばいばい。」

細い背中はすぐに消えたが。
男の残したかすかなその香だけは、いつまでも消えずに銀時へとまとわりついた。
 

 

×××

2009年12月19日
2009年12月30日再UP

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