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ただいま。
そう言って仕事場でもあるリビングへ入れば、うつらうつらとテレビをみていた神楽が振り返る。
「おかえりヨ~。」
ちらりと銀時を振り返り、テレビをつけたまま部屋へ行ってしまう。
神楽の後ろ姿を見つめ、銀時はため息一つ。
「そんなに匂いますかねぇ…。」
くん…と自分の着物に鼻を寄せるも、自分ではわからない。
どさりとソファーに転がり、テーブルに転がったリモコンを手に取る。
「結野アナは…この時間は出てないか。」
一通りチャンネルを回して切ってしまう。
しんと鎮まる部屋。
自分の呼吸ばかりが耳につく。
目を閉じれば、思い出してしまうから、天井を見つめたまま。
だるい身体をもてあまし、だらだらと時間をすごす。
空気がどこまでも重くのしかかってくる。
子供と言うのはどこか魔物じみている。
苛々や不機嫌や不安にひどく敏感だ。
視線や、呼吸や、そして匂い。
それらから何を感じ取るのか。
猫のような不気味な瞳で何もかもを見透かすような顔をする。
ごろりと寝がえりをうつ。
自分のため息がひどく滑稽で、銀時はゆるく唇を歪めた。
2010年4月4日
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