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桂銀?高銀?銀高?銀桂? 「ご機嫌斜めだな。」

「ご機嫌斜めだな。」
背後に感じた人の気配に、銀時が木刀へと手をやるのをみて桂はそう声をかけた。
振り返った銀髪頭の男は、普段と変わりなくつまらなさそうな瞳をしてみせる。
「べっつにぃ。」
「ふん。お前、俺がどのくらい貴様と一緒にいたと思っている。」
つまらない芝居はやめろと桂がため息をつけば、銀時はおもしろくなさそうな顔する。
「うっせぇなぁ、糖分が切れかかってんの。ほっとけ。」
白い着物に片腕を突っ込んで銀時は背を向けようとする。
「…高杉にでも会ったか?」
ぴくりと、銀時の肩がゆれる。
「……。」
「ふん、本当に貴様はわかりやすいな。」
「テメェも会ったのか?」
銀時の横顔が歪む。
この白い男とって、あの隻眼の男がどんな位置を占めるのか、桂にはわからないが。
お互いに意識しすぎて、素直じゃない二人はきっとすれ違い。
「俺は会っていない。仲間から高杉の姿を目撃したと連絡があった。」
「そうか…。」
話がしたいのか、会いたくないのか。
仲良くしたいのか、憎くてたまらないのか。
桂にはわからないし、正直どうでもよかった。
ただ、こうしてお互いにいつまでも覚えているのなら、なんでもいいと思っていた。
「お前たち2人は今度坂本を挟んで酒でも飲んでみたらいい。」
「……、あぁ。」
 

遠くで馬鹿笑いしている友人と。
思い出を捨てられない男と。
昔から変わらず我儘で頑固な人間と。
仲良くなくたって結構、一緒にいなくたって結構。
こうしてときどき背中をみることができるなら。
 

銀時がふらりふらりと歩いていく。
万事屋に帰るのか、甘味所にでも寄り道するのか。
彼の隣は、自分たちではなくなってしまったけれど。
それでも、どこかにまだ自分の影が彼の中に残っていることがわかるから。
桂は編みがさをかぶり直し、大通りを歩く。
銀時が会ったという、凶悪な眼をした大事な思い出の背中を探して。

 

×××

2009年11月20日再UP

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