忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

土方×沖田 「ん、やる。」

「ん、やる。」
廊下の真中で堂々と寝こける少年の頭の上に小さな箱をのせてやる。
慌てて受け止め、確かめる。
黒い箱に、金のリボン。
「なんですかぃ、これじゃまるで俺たちの隊服みたいじゃねぇですか。」
あぁ、そうだな。
などと呟きながら、紫煙を揺らして土方は総悟の隣にに座り込む。
冬空はすっきりと澄みわたり、太陽の光がついつい眠気を誘う。
「…なんですかぃ、爆弾ですかぃ。」
「てめぇと一緒にすんな。」
雨戸に凭れて、どうやら土方も一緒になって昼寝をする算段のようだ、めずらしく。
「あけますぜ?」
こくりと頷くだけで、土方はもう黙ってしまった。
綺麗な包装を開き、中からはこれまた黒と金色の装飾が施された万年筆が出てきた。
「これも隊服みたいじゃねぇですかぃ。」
ちらりと横をみると、大分灰が長くなった。
「ふん、なんでぃ。」
そっと指を伸ばして、唇から煙草を取り上げる。
ぽんと灰を落とすと、そっと咥えてみる。
「苦い…。」
クリスマスプレゼント、なんて歳でももうないのに。
去年も一昨年もその前も、もっとずっと前から。
「あんたも、なにかほしいですかぃ?」
聞いてみても、返事はない。
「ねぇ…、土方さん。」
煙草を消して、万年筆をくるりと回して。
「あんたがほしいのはマヨだけですか?」
あくびを一つ。
またごろりと横になり、土方の太ももに頭をのせて目を閉じた。

 

×××

2009年12月12日
2009年12月30日再UP

PR

Copyright © 銀魂 : All rights reserved

「銀魂」に掲載されている文章・画像・その他すべての無断転載・無断掲載を禁止します。

TemplateDesign by KARMA7
忍者ブログ [PR]