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障子からうっすらと透ける日の光で、太陽が昇ったことを知る。

障子からうっすらと透ける日の光で、太陽が昇ったことを知る。
天井を見上げて、銀時はくんと鼻を鳴らす。
まだ濃く残る煙草の香り。
隣には、すでに温もりはない。
そう言えば酒を飲んでいるときに書類がたまっていると話していただろうか。
ごろりと寝がえりをうち、枕に顔をうずめる。
姿勢を変えたことで身体が軋み、顔をしかめた。
「乱暴しやがって…。」
もごもごと文句を言い、しかしまた、それがどこかくすぐったい。
求められていると、感じられることが幸せなのか。
「ヤダヤダヤダよーー、乙女じゃないからね、銀さんもうとっくにおっさんだからぁ。」
寝巻の襟をぐっと合わせ、おそらくは咲き乱れているであろう鬱血の痕を隠す。
壁に目をやれば、そろそろ新八がやってくるだろう。
窓を開けて空気を入れ替えねば、怪しまれる。
そう思うのに、まだこの匂いの中にいたいと思うのが正直なところで。
枕もとの灰皿に手を伸ばす。
銀時の白い指が吸い殻をつまみ、とっくに火の消えたソレに唇を寄せる。
「次は…いつ会えっかなぁ…。」
 

手首の噛み痕、腰のダルさ、綺麗に畳まれた自分の着物。
どれもこれもあの黒髪の男の仕業で。
銀時は土方の匂いのする布団をぎゅっと抱きしめた。
 


2010年2月20日

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